洋書多読

【小説】Little Fires Everywhere 理想郷は存在するのか?親子関係・人種差別

みなさん、こんにちは!多読が好きなケイコです。

今回は、「Little Fires Everywhere」をご紹介します。

舞台は1990年代、オハイオ州にあるShaker Heights(シェイカーハイツ。)リベラルな思想の人たちが集まる理想郷として実在していた町です。

ある日、Richardson(リチャードソン)の家が火事になるところから物語がスタートします。

なぜ火事が起きたのか。誰が火をつけたのか。

平和ですべての調和が取れていると思われる穏やかな町で、それまで見えないところでくすぶっていたさまざまな火の粉のような人種問題や家族関係が浮き彫りになっていきます。

親子関係、代理母、理想的な人生、多様性・・・

あるべき社会の姿とは、理想の人生とは、多様性とは、と考えさせられる一冊です。

英語の難易度

英語ネイティブの普通レベルです。TOEIC800あれば、内容を理解しながら読んでいくことができます。

文章そのものはシンプルなので、読みやすいです。

難易度
単語:★★★★☆
文章:★★★★☆

母親であること、人種差別、平等であるとは・・・

Shaker Heightsは計画都市で、全てが整っていて平和な町。

そこに住むRichardson家は白人富裕層で、旦那が弁護士、妻はローカルジャーナリスト、そして4人の子どもがいます。

Richardson家は使っていないアパートを所有しており、その家を経済的に恵まれていない人たちに貸し出しています。

そのアパートに引っ越してきたのが、アーティストのMia(ミア)と娘のPearl(パール)。Miaたちは一つの土地に定住はせず、あちこちを転々とする生活をしていました。

PerlはRichardson家の子供たちと仲良くなり、次第に放課後はRichardson家で過ごすことが多くなり、二つの家族は次第に多くの交流を持つようになっていきます。

Richardson夫人は、理想の人生を追い求め、計画的に人生を歩んできていました。そして働きつつ安定した収入を得ながら、良き母であることに最大限の努力をします。

一方Miaは、アーティストでシングルマザー。収入は不安定で、中華料理店でアルバイトをしています。

このまったくの違う生き方をしている二人が出会い、二つの家族の交流が始まったことにより、不協和音が少しずつ生まれていきました。

Richardson夫人とMiaから見える、親子のあり方、子どもの育て方、貧困と裕福、理想の人生設計。

ストーリー全体を通して、水面に潜む人種差別、代理母問題などが織り混ざっています。

著者のCeleste Ng(セレステ・イング)は、10歳の時に実際にシェイカーハイツに住んでいるんですね。

この町での経験も盛り込まれているのだろうと考えると、より現実味が出てきます。

アメリカの一面をみることができる生々しい人間ドラマです。

Audible活用法


私は「Little Fires Everywhere」をAudibleを使用して読みました。

Audibleとはアマゾンが提供するオーディオブックサービスです。

Audibleはもちろんただ聞くだけでもよいのですが、私の活用法は、本で英語を目で追いながらオーディオを同時に聞くというやり方です。

Audibleを使うメリットは3つ。

・正しい発音がわかる
・挫折しにくい
・一定のペースで読める

■正しい発音がわかる
音声を聞いているので、単語の正しい発音を聞くことができます。

知らない単語って、間違った読み方をしてしまうことが多々あるんですよね。

でもプロによる朗読を聞けるので、正しい発音を知ることができます。

同様に読み方の訂正もできます。

間違って発音していた単語があると「え!この単語ってこんな発音だったの!?」と知ることができます。

ちなみに私は、カメラにニコン(Nikon)をアメリカでは“ナイコン”と発音するのをAudibleで初めて知りました。(イギリスでは“ニコン”と日本と同じ発音のようです。)

■挫折しにくい
ストーリーに乗れないと、初めの段階で挫折してしまったという経験はありませんか?

私はよくあるのですが、Audibleを使うと途中で諦めるという挫折が無くなります。

音声がストーリーを引っ張っていってくれるからなんですね。

■一定のペースで読める
「Little Fires Everywhere」は、350ページほどあってボリュームがあります。

量の多いペーパーバックって、中だるみして途中から読むペースがかなり落ちたりすることがあるんですよね。この中だるみって、読み続けるのが結構しんどかったりしませんか。しかも英語なのでなおさら。

Audibleなら、どんどん読んでいってくれるので、仮に中だるみしても音声が引っ張っていってくれます。

Audibleを使った読書はメリットがたくさんあるので、私はよく活用しています。

Audibleは月額1,500円で一冊読むことができます。初めの一ヶ月は無料なので、ぜひAudibleを使った読書を試してみてください!

ドラマとの見比べも面白い

「Little Fires Everywhere」は、ドラマ化されています。ドラマと原作を比べてみるのも面白いですよ。

ドラマはアマゾンプライムで視聴ができます。

主演は、リース・ウィザースプーンとケリー・ワシントン。現在(2020年)はシーズン1のみで8エピソードあります。

一冊の本を8エピソードのドラマにしているので、原作にはない部分が追加されていたり描写が違う箇所がたくさんあります。

私は原作を読んでからドラマをみました。原作にもドラマにもそれぞれの面白さがありました。

ドラマでは人種問題や家族問題だけでなく、LGBTQも大きく取り扱っています。

私はMia(ミア)の人物像の描き方が、原作とドラマでは大きく違ってショックでしたね。私は原作のMiaが好きだったので。。。

原作と映像作品を比べてみてください!

多様性って何だろう

人種差別が無いように見えるシェイカーハイツでも、白人による「私は差別主義者じゃないわ」という独善的な思想が漂っています。

どんなにリベラルを謳っていても多様性を受け入れている人であっても、そこには根深い人種問題や経済格差があるのだなと、考えさせられます。

舞台は1990年代ですが、今の時代にも共通していることがあるので、興味深いストーリーです。