多読初心者におすすめの洋書『Wonder(ワンダー)』をご紹介します。
多読を始めたくても、何を読んだらいいかわからなくて迷うことありますよね。
今回ご紹介する『Wonder』はアメリカの児童書で、世界で300万部売れている大ヒット小説。子ども向けの本ですが、大人が読んでも心を揺さぶられるストーリーです。
主人公のオーガスト君は、冗談好きで活発な男の子。でも遺伝子疾患により、顔に重度の障害を持っています。
ずっとホームスクーリングをしていましたが、10歳になったオーガスト君は初めて学校に通うことにしました。
オーガスト君自身も両親も、気にしていたのは学校での生活。
学校生活がスタートすると、さまざまな反応を目の当たりにするのですが、まもなくして「病気がうつる」とバイキン扱いされるように。
オーガスト君は学校生活をどう生き抜いていくのか。周りの子どもたちは何を感じているのか。そして大人たちはどのように対応をし、オーガスト君を見守っていくのか。
『Wonder』は、児童書ですが、子ども向けの本として扱ってしまうのはもったいないくらい、大人が読んでも満足できる一冊です。
レベルと難易度:英検2級・TOEIC550
子どもが直接読者に向けて語りかけているような文章なので、オーガスト君たちと喋っているような感覚になれますよ。子どもが話すような文章なので、難しい単語はでてきません。
単語 | ★★☆☆☆ |
文章 | ★★☆☆☆ |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
【単語】
中学レベルは必須です。学校では習わない単語がちらほら出てきますが、日常で普通に使う単語やフレーズがたくさん登場するので日常会話を学びたい人にはメモを取りたくなる箇所が多いです。
【文章】
文章はシンプルで理解しやすいです。
1ページや2ページで話が区切られているのが読みやすいポイント。一つ一つの事柄を理解しながら読み進めることができます。
【ストーリー】
語り手によってチャプター分けされています。チャプターが登場人物の目線で書かれていて、一つの事柄に対してそれぞれの立場や気持ちが綴られているので、その違いを楽しむことができます。
実際に出てくる表現を見てみよう!
実際に出てくる英文を見てみましょう。3つピックアップしました。(※カッコ内の日本語訳はブログ著者が訳しています。)
1. 仮定法で「もし〜だったら」と表現できる
If I found a magic lamp and I could have one wish, I would wish that I had a normal face that no one ever noticed at all.
(もし魔法のランプがあって願い事を一つ叶えられるとしたら、ぼくは誰にも注目されないような普通の顔が欲しいって願うね。)
「もし魔法のランプがあったら〜」と、仮定法を使用した文章が出てきました。
If 主語 過去形〜, 主語 would …
仮定法って学校で習ったときにわかりにくいと感じた人もいると思いますが、こんな風に普通に使うんですよね。
文法を勉強しながら読書をすると、実際の使い方がわかります。
どんな風に使われているのかがわかることで、理解度が深まるんですよね。
これが多読をするメリットです。
2. オーガスト君の自己紹介
My name is August, by the way. I won’t describe what I look like. Whatever you’re thinking, it’s probably worse.
(ちなみに、ぼくの名前はオーガスト。ぼくがどんな見た目してるかってことを説明するつもりはない。きみががどんな想像をしてるかわかんないけど、その想像よりきっともっとひどいよ。)
これは主人公オーガスト君の自己紹介です。英文を読むとわかる通り、オーガスト君は読者に向けて自己紹介をしているんですよね。
こんな風に、読者に語りかけるようにストーリーが展開していくので、オーガスト君と友達になったような感覚になれます。
自分が『Wonder』の世界に入り込んだような気分になるので、どんどん読み進めることができますよ。
3. because以外で説明してみる
That’s why my parents decided it was better if I didn’t go to school.
(だから親は二人とも学校に行かない方がいいって決めたんだ。)
オーガストは10歳になるまで、学校に通わずホームスクーリングをしていました。
その理由を説明した後で、「だから学校に通わなかったんだよ」と言っています。
That’s why 〇〇で「だから〇〇なんだ」と説明ができます。
カジュアルでもビジネスでも使える表現です。
スキマ時間に読めて大人も楽しめる『Wonder』
『Wonder』の魅力をご紹介します!
1. 区切りが細かいからスキマ時間を活用しやすい!
本書は、8つの章に分かれているのですが、さらに細かくパート分けされています。その細かな区切りが、1ページや2ページと短いんです。
なので、電車を待っている間・家事の合間・お昼休憩中などのちょっとしたスキマ時間に読めちゃうんですよね。忙しくてなかなか本を読む時間がないという人に、読み進めやすい本です。
2. 内容が深いから大人でも十分楽しめる!
児童書は多読に人気ですが、大人にとっては内容が子どもっぽすぎたりことがあり途中で飽きてしまうことってあるんですよね。
『Wonder』は大人でも楽しめる、むしろ大人だからこそ考えさせられるストーリーです。
登場人物の目線でストーリーが展開していくので、いろんな登場人物の立場をイメージしやすいんです。
「自分がオーガスト君だったらどんな感情を抱くかな」
「クラスメイトにオーガスト君がいたら、どう接するだろうか」
「自分がオーガスト君の親だったら、一般の学校に通わせることに迷いはあるだろうか」
『Wonder』を読んでいると、同じ世界にいて同じ出来事を体験していても、みんなそれぞれ見ているものや感じていることが異なるのだと感じます。
大人が読んでも高い満足感を得られる小説です。
3. いきいきとした英語に触れられる!
上記に記載したピックアップした本文を読んでいただくとわかるかと思いますが、主人公のオーガスト君が読者に話しかけています。
そのため、オーガスト君と目線を合わせて会話をしているような気分になるんですよね。
実際に子供たちが使用する表現が散りばめられているので、文章そのものがいきいきとしていて読んでいて楽しくなります。
子供らしい表現もありますが、大人でも普通に使える表現もたくさん。
教科書的ではない実用性のある英語に触れることができます。
まとめ:大人だからこそ読みたい児童書
『Wonder』は、児童書でありながら、大人の視点で楽しめるストーリーです。
物語に入り込むと、忘れてしまった子どものころの感情が蘇ってくるかもしれません。
子どもが直接語りかけているかのような英語なので、かわいらしさもあります。子どもと話をしているかのようにどんどん読むことができます。
本書は、スキマ時間を活用できるのも魅力の一つ。パート分けが細かいと、キリをつけやすいので、ちょっとした時間に読むのにとてもいいんですよね。
『Wonder』は、ジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィルソン主演で映画化されています。邦題は『ワンダー 君は太陽』。
いきなり原書にチャレンジするのが難しい場合は、映画を先に観ても良いですね。わたしは原書を読んでから映画を観ました。原書と映画を比較するのも、多読の楽しみ方の一つです!
『ワンダー 君は太陽』が視聴できる動画サービスはこちら。(※2022年1月の情報です。詳しくは公式ページでご確認ください。)
わたしは原作と映画を比較した時に、原作の方が好きなことが多いのですが、『Wonder』はどちらも好きです。
原作は、オーガスト君と対話している感じが強かったですね。親近感が湧くし、本当に子どもと話している感覚になれるんですよ。
一方、映画はオーガスト君がビジュアル化されているので、世界観に入り込みやすかったです。(号泣しちゃいました!)
『Wonder』は原作も映画も楽しめます。ぜひ本も映画もチェックしてみてください!
【NEXT STEP!】次はこの本にチャレンジ!
『Wonder』が気に入ったら、続編である『Auggie&Me: Three Wonder Stories』を続けて読みましょう!
『Wonder』と同じくらいの英語レベルだと『The Giver』がおすすめ。
この本も考えさせられる内容です。
すべてが統制された世の中が行き着くのはどんな世界なのか。
哲学的でもある本書は、英語で考えを掘り下げる体験をするのにピッタリです。
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