アメリカの児童書『Who Was Pablo Picasso?（パブロ・ピカソって誰？）』をご紹介します。
本書は「Who Was?」シリーズの一つで、アメリカの出版社Penguin Workshopから出ている児童書です。
「ゲルニカ」や「アヴィニョンの娘たち」「泣く女」などの名画を残した画家パブロ・ピカソ。
ピカソは９１歳までの生涯の中で激動の時代を生き抜いた人ずっと作品を生み出し続けたパワフルな画家です。
戦争を３回体験し、電気やテレビ、飛行機などが世の中に登場した時代を生きていました。
世の中が大きく変動する中で、ピカソの作品もさまざまに変化します。
ピカソの作品は、遊び心に溢れたものからシリアスなものまでありますし、子供っぽいタッチもあれば複雑なものまで、表現方法が幅広いことで有名です。
また、ピカソは政治や社会に対するメッセージ、平和や愛をアートを通じて表現し続けました。
日本でも人気があり、ピカソの作品を展示している美術館は全国に散らばっています。
エネルギーに満ち溢れた画家ピカソ。
ピカソの精力的な創作活動や天才と呼ばれる所以がつまった『Who Was Pablo Picasso?』をご紹介します！
レベルと難易度
「Who Was?」シリーズは英語ネイティブの8〜12歳が対象となっていて、歴史的人物や現在活躍している有名人について学ぶことができます。（「Who Was?」シリーズ紹介記事）
| 単語 | ★★☆☆☆ |
| 文章 | ★★☆☆☆ |
| ストーリー | ★★☆☆☆ |
【単語】
ところどころ難しい単語が出てきますが、ストーリーの要となるような単語ではないので、推測しながら読むことができます。
【文章】
長すぎる文章がなく読みやすいです。
【ストーリー】
全部で９章あります。
時系列に記載されていて、それぞれの章で青の時代、バラの時代、キュビズム、パブロの恋愛などテーマが分かれています。
実際の文章をみてみよう！
実際に出てくる英文を見てみましょう。３つピックアップしました。（※カッコ内の日本語訳はブログ著者が訳しています。）
話す前に絵を描き始めていた！
Pablo could draw before he could talk. His mother said his first words were “Piz! Piz!” That’s baby talk in Spanish for lapiz, which means “pencil.”
（パブロは話すよりも先に絵を描き始めました。母親によると、初めて発した言葉は「Piz! Piz!」。これはスペイン語”lapiz”の赤ちゃん言葉で、えんぴつを指しています。）
パブロは幼少期から絵を描いたり工作をするのが大好きでした。
最初の言葉がえんぴつだったという逸話を裏付けるようなエピソードがいくつか紹介されています。
見たものをそのまま描かなくてもいい
He could paint what he imagined. This led to a turning point for Pablo. It was a turning point on the history of modern art!
（パブロは自分がイメージしたことを描きました。これは彼にとってのターニングポイントとなりました。近代アート史のターニングポイントとなったのです！）
見たものをそのまま描く必要性はなく、想像したものを描き始めたのがピカソの大きな発見となり、近代アートのターニングポイントともなりました。
ハトが平和の象徴となったワケ
The following year, he made a poster of a dove for the Peace Congress. Because of Picasso, the dove become a symbol for peace all over the world.
（翌年、平和擁護世界大会でハトのポスターを作成しました。ピカソがきっかけで、ハトが平和の象徴とされるようになったのです。）
まとめ：天才画家と言われる所以がわかる！
アーティストはそれぞれのスタイルや特徴がありますが、ピカソは一つのスタイルにこだわらず、ありとあらゆる手法を試しました。
常に作品を作り続け、作品は５万点以上と言われています。
彼の作品には私生活で飽きたことが反映されていたり、世界情勢に影響されたりしています。
また恋愛を常にしていた人でもありました。なかなか複雑な人間関係を持った人でもあるんですよね。
それもピカソの人間的魅力の一つ。
本書でピカソの生い立ちを辿ってみましょう！
