『THE MIDNIGHT LIBRARY』をご紹介します。
「あの時あの道を選んでいたら・・・」と想像することってありませんか。
あの人に告白してたら、あの会社に入社していれば、あのチャンスを掴んでいれば・・・などなど。
人生の後悔に考えを巡らせることってありますよね。
主人公は30代の女性ノラ・シード。
多くの才能に恵まれていたものの、何かを成し遂げることはなく希望を失った人生に絶望しています。
ある日ノラはこの世から消えてしまおうと、薬を大量に摂取します。
するとたどり着いたのはMidnight libraryという不思議な図書館。
その図書館には無限に本が並んでおり、どの本も別の選択肢を選んだ時の人生をのぞくことができるというのです。しかも気に入ったらその人生にとどまることができるとか。
まさに本はノラの人生のパラレルワールドでした。
ノラはオリンピック金メダリストとして将来有望でしたが水泳選手をやめ、バンド活動をしていましたが売れそうな時にバンドを離れ、結婚直前で婚約破棄してしまいます。
すべて逆の選択をしていたらどんな人生になっていたのでしょう。
ノラは今までの後悔を塗りつぶすがごとく、いくつもの人生を試してみます。そこでノラが見たもの、感じたことは・・・。
後悔ばかりしてしまう、なんかモヤモヤする、人生をやり直したい。そんなときにに読んでほしい物語です。
【レベルと難易度】 英語ネイティブ大人が気軽に読める
単語 | ★★★☆☆ |
文章 | ★★★☆☆ |
ストーリー | ★★★☆☆ |
※レベルは目安です
実際の文章をみてみよう!
実際に出てくる英文を見てみましょう。3つピックアップしました。(※カッコ内の日本語訳はブログ著者が訳しています。)
冒頭の一文をご紹介!
Nineteen years before she decided to die, Nora Seed sat in the warmth of the small library at Hazeldene School in the town of Bedford.
(死のうと決める19年前、ノラ・シードはベッドフォードにあるHazeldene小学校の心地の良い小さな図書館に座っていました。)
冒頭の一文。
小学校の図書館にはMrs Elmという司書がいます。
Mrs Elmとの出会いが今後のNoraの人生に大きな影響を与えることになります。
真夜中の図書館とは
‘Between life and death there is a library,’ she said. ‘And within that library, the shelves go on for ever. Every book provides a chances to try another life you could have lived. To see how things would be different if you had made other choices… Would you have done anything different, if you had the chance to undo your regrets?’
(「生と死の間には図書館があるんです」と司書は言った。「図書館には本棚が無限に広がっています。どれも歩んだかもしれない別の人生を試すことができる本です。もし後悔をやり直すことができるとしたら、違った行動をとっていたと思いますか。」)
自殺を図ったノラが辿り着いたのは真夜中の図書館。
そこにある本を開くことで、別の人生を試すことができるというのです。
自分だったらどの人生を試したくなるか自分と重ね合わせながら読むことができますよ。
チェスと人生
‘It’s an easy game to play,’ she told Nora. ‘But a hard one to master. Every move you make opens a whole new world of possibility.’
(「プレーをするのは簡単なこと。」と司書はNoraに言った。「でもね、マスターするのは大変なこと。どんな一手であっても新たな可能性を広げることになるの。」)
司書のElmとNoraはチェス仲間でもあります。
そしてElmはチェスを例えに使ってNoraに説明をするシーンが何度か出てきます。
生きるということを見つめ直すことができる一冊
どんな人生であっても、実際に歩んでいる今の人生こそが最適解なのではないかと気づかせてくれる小説でした。
あのとき別の選択をしていたらどんな人生になっていたのか、と考えを巡らせることってありますよね。
毎日私たちは多くの選択の中から決定をしています。どんな小さなことであっても、一つ一つの決定が自分自身を作り上げているんですよね。
決定の力ってあなどれないですね。
図書館の司書Elmさんは、チェスを引き合いに人生の比喩を用いることが多いです。
私はチェスをかじっている程度なのですが、チェスが例えに使われていることでより立体的にストーリーを理解することができたように感じています。
チェスを通してメッセージが深く伝わってくるのも魅力ですよ。
ちなみに私はお風呂で1ヶ月ほどかけて読みました。
一日の終わりに疲れを癒しながら、人生についてゆっくり考えることができたのでお風呂本としてもオススメです!
【NEXT STEP!】次はこの本にチャレンジ!
Matt Heigの本を3冊ご紹介します!