ラダーシリーズ・レベル1の『手袋を買いに(Buying some gloves)』をご紹介します。
『手袋を買いに』は、狐のお母さんと子どもが主人公。
子狐にとって初めての冬がやってきます。
雪の冷たさで両手が赤くなってしまった子狐のために、母さん狐は人間の住む町に手袋を買いにいこうとします。
しかし過去に人間にひどい目に遭わされたことがある母さん狐は、人間のいる町に行く気にどうしてもなれず、子狐に一人で手袋を買いに行かせることに。
子狐は人間に対してイヤな思いを抱くことなく、無事に手袋を買うことができたのですが。。。
最後の一行に残された母さん狐の言葉。
「人間ってほんとうにいいものかしら。」
英語で物語を読むだけでなく、考えさせられる物語でもあります。
『手袋を買いに』の魅力をご紹介します!
『手袋を買いに』の英語の難易度
『手袋を買いに』はラダーシリーズのレベル1で、中学英語レベルで読むことができます。(→ラダーシリーズ紹介記事)
ラダーシリーズ・レベル1の中でも最も短く、使用されている単語はとてもやさしいです。
そのため多読の初めの一歩にとってもオススメ。多読の入門書として最適ですよ。読みやすく、短編なので手に取りやすいです。
単語 | ★☆☆☆☆ |
文章 | ★☆☆☆☆ |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
【単語】
中学英語で読めるように編集がされていますが、難しめの単語が出てくることがあります。
しかし巻末にすべての単語の意味が載っているため、すぐに意味を確認することができます。
【文章】
シンプルに構成されています。現在形・過去形・完了形が出てきます。
【ストーリー】
丁寧に描かれてるため、着実に読み進めることができます。
実際の文章をみてみよう!
実際に出てくる英文を見てみましょう。3つピックアップしました。(※カッコ内の日本語訳はブログ著者が訳しています。)
森に住む親子狐
Mother Fox and Little Fox lived in a hole in the forest. It was winter in the forest, and it was very, very cold.
(母さん狐と子狐は森の穴の中に住んでいました。冬の森はとてもとても寒いです。)
冒頭の文章です。
子狐にとって初めての冬。雪を見るのも初めてです。
Mother Fox(母さん狐)とLittle Fox(子狐)が主役となって物語が進みます。
一文一文が短くて読みやすいですね。
hole 穴
forest 森
狐であることがバレてしまった
The man behind the door was a little surprised. “This is a fox’s hand,” he thought. “A fox has come to buy some gloves. Does it have money?”
(ドアの内側にいた男はちょっと驚きました。「これは狐の手ではないか」と思いました。「狐が手袋を買いに来たぞ。でもお金は持っているのかだろうか?」)
母さん狐は子狐に手袋を買いに行かせることにしました。
人間に狐だとバレないように、片方の手を人間の手に変えて人間の手を出すように言い聞かせます。
しかし子狐は間違えて狐の手を差し出してしまいました。
店の主人が狐の手を見て驚いているシーンです。
be surprised 驚く
some gloves 手袋は2つで1ペアなので複数形で使います
母さん狐の心配
But in her heart of hearts, she kept asking the same question: “Are human beings really good? Are they really good?”
(しかし母さん狐は心の奥底で同じ質問を繰り返していました。「人間って本当にいいものかしら?本当にいいものかしら?」)
子狐は無事に手袋を買うことができました。
狐の手を差し出しても手袋を問題なく買えたことや街に住む人間の様子を見て、「人間って怖くない存在」だと認識します。
しかし母さん狐は以前、人間からひどい思いをさせられたことがあったため、人間に対する考えを巡らせます。
heart of hearts 心の奥底
初めての洋書に最適
ラダーシリーズの『手袋を買いに』は、非常にやさしい英語で書かれています。
まだ英語で本を読んだことがない方や、英文を読むことに慣れていない方に最適な一冊です。
多読をスタートさせるときには、レベルに注意することが必要。難しいレベルを選んでしまうと、挫折する可能性が高いからです。
多読初心者の場合、自分の英語レベルより少し低いものを選ぶと読み進めることができますし、読んでいるときのストレスがありません。
さらに本書は56ページと短いのがポイント。初心者でも途中で投げ出すことなく読了できます。
挿絵もあるので描写がしやすいので、情景をイメージしながら楽しむことができるでしょう。
また最後のお母さん狐の一言が、心に刺さります。
“Are human beings really good? Are they really good?”
あなたはどう感じますか?
ラダーシリーズには、新美南吉の『ごんぎつね』もあり、こちらもレベル1で非常に読みやすく、多読初心者におすすめです。
レビュー記事を書いていますので、ご覧ください。
▶︎『ごんぎつね』レビュー記事
