オックスフォード・ブックワームスのステージ1の『Pocahontas(ポカホンタス)』をご紹介します。
本書はオックスフォード・ブックワームスという英語学習者用に英語のレベルが編集されている洋書です。
1607年イギリス人がアメリカ大陸のヴァージニアに降り立ち、自分たちの土地を作り上げるべく開拓を始めます。
しかしその土地にはもともと、原住民のアルゴンキン族が住んでいました。
自分達の土地を守りたい原住民と新天地を自分達のものにしたいイギリス人。
銃を持っていたイギリス人は原住民にとって、自分たちを脅かす存在でした。
一方で食料の確保に苦労するイギリス人は、原住民の力を借りずして十分な食料をえられません。
食糧を欲しがるイギリス人と、銃を欲しがる原住民。関係性は悪化していきます。
その一方で首長の娘であるポカホンタスは、イギリス人を敵とみなさず興味を抱いていきます。
そしてリーダー的存在であったジョン・スミスという男性に恋心を抱くように。
次第に対立を深めていくイギリス人と原住民ですが、二人の恋は実るのでしょうか。
ポカホンタスは実在の人物です。
イギリス人と初めて結婚したアメリカ原住民であり、イギリスにも渡ったことのある女性です。
純愛物語として読むこともできますが、私は新しい土地を開拓する大変さやイギリス人と原住民との攻防、そして橋渡し役となろうとしたポカホンタスの姿が印象的でした。
『ポカホンタス』といえばディズニー映画を思い浮かべる方もいるかもしれませんね。
ディズニー映画とは内容が大きく異なります。観たことがある方は、その違いを楽しむことができますよ。
『Pocahontas』をご紹介します!
レベルと難易度 英検5級、TOEIC350点
オックスフォード・ブックワームスはレベルが7つに分けられていて、『Pocahontas』は、Stage1のやさしいレベルです。ワード数は5,320。
文法は現在形、現在進行形、過去形が出てきます。(→オックスフォード・ブックワームス紹介記事)
単語 | ★☆☆☆☆ |
文章 | ★☆☆☆☆ |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
【単語】
中学で学ぶ基本単語で構成されています。
巻末に単語集がついているので、辞書なしでもOK!
【文章】
現在形と現在進行形、過去形が出てきます。
過去形まで勉強していればチャレンジできますよ。
【ストーリー】
イギリス人と原住民の関係性と、ポカホンタスとジョン・スミスの恋愛の2つのストーリーを楽しむことができます。
実際の文章をみてみよう!
実際に出てくる英文を見てみましょう。3つピックアップしました。(※カッコ内の日本語訳はブログ著者が訳しています。)
新たな土地を求めて
In January 1607 three ships left England and sailed to America. There were a hundred and fifty men on the ships, and they wanted to find a new world in the west – a home in a new and exciting county.
(1607年の1月、3隻の船がイギリスを出港しアメリカ大陸へと旅立ちました。船には合わせて150人の男性が乗っていて、西の新大陸発見を望んでいました。新しく希望に溢れた土地です。)
ときは1607年、イギリス人がアメリカのバージニア州に降り立ちました。
新たな植民地を探し出すため、意気揚々と航海に出たことがうかがえます。
sail 航行する
west 西
exciting 興奮させる、ワクワクする
初めて見るイギリス人
‘Oh, father, I like him, He has wonderful blue eyes – the color of the sky.’
(ええ、お父さま。ジョン・スミスのことは気に入ったわ。素敵な青い目をしているんですもの。空の色と一緒。)
ポカホンタスはジョン・スミスの青い目に惹かれます。
ジョン・スミスに出会ったのは、ポカホンタスがまだ13歳のころでした。
初めて見る西洋人の青い目に衝撃を受けたんでしょうね。
食糧と銃の駆け引き
“Or they must give me guns. We have a lot of food in our village, but we need guns. I can give the Englishman food, but they must give me guns first. Tell that to your English friends, Pacahontas!
(もしくは、銃をもらうことだな。我々は村にたくさんの食糧があるが銃が必要だ。イギリス人に食物を分けてもよいが、先に銃を譲ってもらう必要がある。ポカホンタスよ、おまえのイギリス人の友達にこのことを伝えるんだ。)
入植者たちは食糧の確保に苦労します。
新しい土地でいちから穀物を育てるのは大変な作業だったようです。
先住民は今まで自分たちの世界には存在していなかった銃に怖れ、同時にその威力を欲しがるようになります。
食糧が欲しいイギリス人と銃が欲しい先住民との駆け引きが長らく続きます。
イギリス人と友好的な関係を築いていたポカホンタスは両者の関係性に挟まれていたようですね。
gun 銃
village 村
前衛的で肉食系女子ポカホンタス
『ポカホンタス』はアメリカ原住民女性とイギリス人男性の初めての結婚ということもあり、恋愛物語としての一面があります。
しかし、私はポカホンタスの恋愛より、原住民と入植者の関係性が興味深かったですね。
原住民側と入植者側のそれぞれの立場に立って読んでみると、どちらの立場も理解できるので、そこを楽しむことができました。
例えば原住民側の立場に立つと、イギリス人の横柄さや図々しさにイライラしてしまいました。
だって、勝手に自分達の土地に上がり込まれ、自分達の王様の名前をとってJames townと名づけられたら、「なんやこいつら!」と思ってしまいそう。
その一方で、新たな土地を開拓していくイギリス人のたくましさに驚かされる部分もありました。
新たな土地に、ゼロから自分達の街を作っていくのが並大抵のことではないと思うんですよね。
実際に食糧難あったり、疫病などや冬の寒さを乗り越えられず死人が多く出たようです。
今のアメリカの姿も、このようなイギリスの植民地が背景にあったと思うと、長い歴史を感じます。
そして、何よりポカホンタスの肉食女子っぷりにもびっくり!
ジョン・スミスとの歳の差はなんと14歳!それにもかかわらず、ジョン・スミスにモーレツアタックするんです!
ポカホンタスの情熱がストレートに伝わってくるのでドキドキしちゃいます。
イギリス人に惚れた理由が「目が青くてキレイ」だったというのが、ちょっと納得できないですけどね。
それ以外にも、イギリス人たちと共存することを選ぶポカホンタスの勇気に胸を打たれました。
ちなみに、ポカホンタスといえば、ディズニー映画を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
私はかなり昔に見たのですが、ほとんど内容を覚えていないという状況だったので、本書を読み終えてから見ました!
ディズニーは内容がかなり違っていたので、その違いを楽しむことができましたね。
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