サイコスリラー好きにぜひ読んでほしい一冊、Lucinda Berryによる『Saving Noah』をご紹介します。
本作は、“小児愛者”であると告白した息子を抱える家族が、予想もしない現実と向き合う姿を描いた衝撃の物語です。
あらすじ
ある日、息子Noahが「自分は小児愛者だ」と母親に打ち明けたことから、家族の平穏な日常は一変します。
Noahの性に対する葛藤、母の苦悩と罪悪感、父の激しい怒り、そして妹の複雑な愛情が渦巻き、家族関係は崩壊の危機に。
さらに、友人や近所との関係も壊れ、世間からの偏見やSNSで拡散される情報に翻弄されながら、彼らは逃れられない現実に直面していきます。
そして、やがて明かされる戦慄の真実。
『Saving Noah』は、ただのスリラーにとどまらず、
小児性愛者への偏見
SNSから逃れられない現代社会
更生施設やセラピーの意義
といった社会問題にも深く切り込みます。
読み進めるほどに「もし自分が同じ立場だったらどうするだろう?」と考えさせられる、重厚で衝撃的な一冊です。
サイコスリラー好きの方はもちろん、社会派小説に関心がある方にもおすすめ
『Saving Noah』はアマゾンのKindle Unlimitedの対象です。月額980円なので、多読したいなら超おすすめ!月に洋書を1冊読めば元がとれるので、多読をしてるなら要チェック!
英語の難易度 – 英検準1級・TOEIC750
[chat face=”b4fd3e3035bd6359f29cfdaac79894c6-1.jpeg” name=”英タツ” align=”left” border=”none” bg=”gray”]英検準1級・TOEIC750からチャレンジできるね[/chat]
物語は母親の視点で描かれており、主語が明確なので英語に慣れていない方でも読みやすいのが特徴。母親としての葛藤や苦悩が丁寧に描かれているため、読者も自然と感情移入しやすくなっています。
さらに、ところどころに会話文が挿入されていることでテンポもよく、飽きずに読み進められます。
私自身、1週間ほどで読み終えました。難解すぎず、それでいて心を揺さぶられる展開に一気に引き込まれる一冊です。
| 単語 | ★★★★☆ |
| 文章 | ★★★★☆ |
| ストーリー | ★★★★☆ |
(※レベルは目安です)
Noahの葛藤に胸が締め付けられる!
小児性愛者に対して、どんな印象を持っていますか?
「気持ち悪い」
「怖い」
「ただの変態」
多くの人がそう感じるのではないでしょうか。私自身もその一人でした。
ですが本作を通じて、小児愛者が抱える苦悩や葛藤に初めて触れ、「本人もまた深い苦しみを抱えている」という事実に気づかされました。
主人公のNoahは、自分が“普通ではない”ことを理解し、「自分は他人を傷つける可能性があるモンスターだ」と語ります。
運動も学業も優秀で、友人にも恵まれていた少年が、性の嗜好性に気づいた瞬間からすべてが一変していくのです。
私は、小児愛者による事件が後を絶たない現実の中で、「小児愛者=危険人物」という印象を強く持っていました。
けれど、この物語を読み、悩み苦しむ人も存在するのだと認識を新たにしました。
スリラーとしての緊張感を持ちながらも、読んでいるうちに社会構造や家族の苦悩へと意識が向かい、気づけば物語の重みの中に深く引き込まれていました。
そして、Noahの葛藤。読み進めるうちに胸が締め付けられ、家で人目を気にすることなく号泣してしまいました。
【注意】万人向きの物語ではありません
本作は小児性愛という非常にデリケートなテーマを扱っているため、万人向けとは言えません。
性行為に関する直接的でグロテスクな描写はありませんが、人によってはトリガーとなる可能性があります。
物語全体は重く、読後に明るい気分になれる作品ではありません。
ただし私は、登場人物それぞれの思いや社会問題に向き合う場面が多く(体感としては9割ほど)、その点に深く意識を引き込まれました。
読む際には、この点をご理解のうえで手に取っていただければと思います。
それでも、この作品が投げかける問いは鋭く、挑戦してみる価値のある一冊です。
実際の文章をみてみよう!
実際に出てくる英文を見てみましょう。冒頭部分をご紹介します。
Noah being charged as a sex offender sucker punched our entire suburban community. Child molesters were adults—dirty old men who lured children into their cars with promises of candy and treats. They weren’t A-honor roll students who ran varsity track and went to mass every Sunday. I still cringed inside every time I said it, but our nightmare was finally about to be over.
「Noahは性犯罪者として告発されました」と衝撃的な文章からスタートします。
本全体を通してsex offenderやpedophile(小児愛者)という単語が頻出します。
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